桐箪笥を見るときに確認したい五つのこと
桐箪笥は骨董市でも個人売買でも頻繁に出回る品ですが、状態の差が大きく、価格の根拠がわかりにくいカテゴリでもあります。ここでは、実際に仕入れの際に確認している五つの点を整理します。
1. 桐材の乾燥具合を確認する
桐は湿気を吸いやすい木材です。長期間湿った環境に置かれていた箪笥は、引き出しが膨張して動かなくなっていることがあります。引き出しを一度抜いて、側面を触ってみてください。しっとりとした感触が残っている場合は、乾燥に時間がかかります。
乾燥が十分な桐材は、軽く叩くと乾いた音がします。重くこもった音がする場合は、内部に水分が残っている可能性があります。
2. 組み手の状態を見る
引き出しの角の組み手(ほぞ組みや蟻組み)がしっかり噛み合っているかを確認します。隙間が開いていたり、木が割れていたりする場合は、修復に費用がかかることがあります。
組み手の精度は、作られた時代と職人の腕を反映しています。大正期以前の箪笥は手作業による組み手が多く、細かい仕事が残っているものは評価が高くなります。
3. 金具の来歴を確認する
引き手や蝶番などの金具が当時のものかどうかを確認します。後から交換された金具は、取り付け穴の大きさや位置が合っていないことがあります。当時の金具が残っている箪笥は、それだけで状態の証明になります。
4. 虫食いの有無を調べる
桐材は虫食いの被害を受けやすい木材です。引き出しの底や箪笥の裏面に、小さな穴や木屑が落ちていないかを確認してください。現在進行中の虫食いがある場合は、他の木製品への影響を考えて購入を見送る方が無難です。
過去に虫食いがあっても、処置済みで現在は問題ない状態のものも多くあります。穴の周囲が乾燥していて木屑がない場合は、古い被害跡である可能性が高いです。
5. 再塗装・補修の有無を見分ける
表面が均一すぎる光沢を持っている場合は、再塗装されている可能性があります。桐箪笥の本来の表面は、使い込まれた痕跡として色むらや小傷があります。再塗装された箪笥は見た目が整っていますが、元の風合いは失われています。
補修の有無は、光を斜めから当てて表面を見ると判断しやすくなります。塗料の境界線や、パテで埋めた跡が見えることがあります。
以上の点を確認するだけで、購入前の判断がかなり変わります。店頭でも、聞いていただければ一点ずつ説明します。